春頃から続いた激務も来週でひと段落するのでBLOGの更新再開していきます。
楽しみにしてくれているごく一部の方、宜しくお願いします。お店に普段から遊びに来てくれている方はもちろん、なかなかお店には来れないけどBLOGをベースにお買い物計画を立ててくれて毎月のようにご利用いただいている方など、ここのところ更新が楽なInstagramに逃げてしまいましたが、毎日のようにBLOGの更新ボタンを押してくれているお客さんには本当感謝しています。
さて、本日はリリースしてから毎日の洋服選びでユニフォーム化しているシャツをご紹介いたします。
BLOGを読んでくださっている方はこの刺繍パターンのアイテムは過去のモデルで所有している方が多いと思いますが実は今回は企画はコンセプトが別なのでご紹介します。
今回のreglar collar shirtはアメリカの伝統的なファッション、そしてその産業において世代を超え今も多くの方のワードローブに並んでいるであろうアメリカ製のシャツの代名詞ともいえるボタンダウンシャツから企画がスタートしています。
ボタンダウンシャツはもともとイギリスの上流階級がたしなむポロ競技で乗馬する際に風で襟が動かないようにボタンでとめたユニフォームを着用している選手からヒントを得て、アメリカのB社が考案したのが始まりと言われています。のちにアメリカ東部の裕福な家庭に育った学生の間で大流行しアイビールックの象徴となったシャツです。ボタンダウンシャツに多く使用されているオックスフォード生地は型崩れしにくく、襟のボタンを留めるだけできちんと見栄えすることで高い支持を得ていたようです。
そんな合理的なアメリカのファッション産業が生み出した名品を紐解きBLACKBIRDの解釈で足し引きして一枚のシャツが完成しました。
マオリ族のトラディショナルなモチーフをカフのデザインに取り入れ、カフにはバス芯を挟んでいます。…というのは今までのあくまで視覚的なデザイン要素で001collectionから継続で制作しているこのシャツの一番のポイントはB社のボタンダウンシャツのようにケアが楽で毎日着たくなるレギュラーカラーシャツ。
■型崩れしにくいオックスフォード
→これ以上型崩れしないであろうハリがありつつもオーバーダイしたコットン生地。
■乗馬の際に襟が崩れないよう襟先をボタンをで留める。
→襟が崩れるのを前提に崩れた際に綺麗に見える襟の形状、意図して狙った染色時に発生するパッカリング。
■大量生産できるシェルボタン
→年々希少になってきているホーンボタン
■コスト面や当時の感覚で設定したであろうボタンのピッチ
→ボタンの留め方で表情を変えられるボタンピッチ、個数。
■汚れが気になるカラー展開
→汚れが目立ちにくく、生成色を更に濃くしたようなoff white、選択によって黒が抜けたようなblackの配色、色抜けさえも味となるカラー設定。
肝心な着た時のシルエットも凝ったディテールには反して肩肘張らずに着用でき、形も抜群に良いです。レギュラーフィットですが、昨今のオーバーサイズのシャツに慣れている方も違和感なく着ていただけるシルエットかと思います。
原型がわからないくらいリミックスしてアメリカの要素はほぼ消えている内容ですが、ひとつ残したことといえば過去の人の手によって残された圧倒的な縫製技術や仕様です。
コストや作業効率を優先するあまりこれらを失ってしまった今のアメリカ製の洋服に対して、腕の良かったアメリカ製のシャツ工場の技術を日本国内の上手な職人さんによって再現しています。
所有している人にしかわからない細かい部分ですが、ずっと人に愛される洋服には必ず理由があるとこの企画で再認識しそういうアイテムを一つでも多く残せたら本望だと思います。
久々のBLOGでテンションが上がってしまい長くなってしまいましたが、是非店頭で裏の仕様まで隅々と見てやってください。