特別意識しているわけではないのですが、毎シーズンのラインナップには売れなくてもいいから作るものや、あと数年後には作れる技術が失われてしまいそうな企画があります。そして最初から大きな数は見込めないと分かっていても全力で取り組みます。
本日ご紹介する 2 点は、collection 006 の中でもトップ・オブ・トップと言える特別なアイテムです。
1960年代、MARY QUANT が George Harrison と Pattie Boyd の結婚の際に手掛けたファーコート。
確かあれはモンゴリアンラムでしたが、今回 BLACKBIRD が制作したものとは羊種が異なります。
モンゴリアンラムは、このご時世ではなかなか着こなしが難しい、パンチが強すぎます。
今回選んだのは、トスカーナ地方の最高級ラムレザー。
適度な光沢と巻き毛、そして高級ムートン特有の高密度な毛先を備えた非常に美しいレザーです。
この上ない贅沢な革を、あえてコートではなく、袖なしのハーフコート丈のベストとして仕立てました。
collection 004 でもお願いした熟練の職人さんに今回も力を貸していただき、丁寧で端正な仕上がりになっています。
イメージしにくいかもしれませんが、一着の制作には約 4〜5 頭分の革が使われています。
もちろん革はすべて、出所の確かな食用の副産物です。
ファッションを生業にしてる立場でこの手の話はあまりしたくないのですが、自分の中では筋の通ったサステナブルな解釈があります。強引に刈り取られた毛で作られた安価なウールコートをワンシーズンで着て捨て、燃やしてしまうより、こうした洋服を 30 年所有する方がよっぽど良いと、私は思っています。
レザーの問題もそうですが、この毛皮を繋ぐ技術自体が、いま本当に失われつつあります。
だからこそ、今のうちに残すべき洋服を作っておきたくラインナップに加えました。

BLACKBIRD
sleeveless fur half coat
MATERIAL : lamb leather
SIZE : 0 , 1
COLOR : black
PRICE : ¥580,000 + tax





続いては、director’s jacketをリメイクしたイメージで企画したジャケットです。サイズ感は通常の director’s jacket に比べて 約 2 サイズほど大きく 設計しており、縫製仕様もこのジャケットのためにパタンナーが一から組み直してくれました。
前身頃のファスナーを開けると燕尾服のフロントのような構造になっています。
パーツには、私がアメリカへ行った際などにコツコツ集めてきたヴィンテージチャームを使用しました。
また、パッチワークに使用している生地も、本来であれば捨てられてしまう端切れですが、BLACKBIRDではアーカイブの生地として保管しておき、要所要所で活かしています。
街で着るには少し勇気がいるかもしれませんが、むしろ昔から着ているボロボロのスウェットなどと合わせたりあえてテキトーなスタイリングくらいがちょうど良いと思います。
でも、同時に——
ステージでスポットライトを浴びている誰かにも着てほしい。
そんな願望も、少しだけある一着です。

BLACKBIRD
director’s jacket – remake –
MATERIAL : A cotton 100% , B linen51% ,wool 49%
SIZE : 0 , 1
COLOR : black×check
PRICE : ¥450,000 + tax








〒106-0047
東京都港区南麻布2-1-17 白ビル2F
TEL : 03-6696-9067
Web site : http://www.white-album.net
E-MAIL : info@white-album.net
